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Talks vol.6

エレガント人生・山井祥子&9 番街レトロ・京極風斗と考える「作ること」、「売ること」

レンフロ・ジャパン㈱が2022年より取り組んでいる産学連携企画「HOTSOX x 文化服装学院 プロモーションバトル」 (詳細)今年は大阪文化服装学院も加わり「東西バトル」としてスケールアップ。そして今回は吉本興業のエレガント人生の山井祥子さん、9番街レトロの京極風斗さんが東西のアンバサダーに就任。先日の記者会見後にお2人にお時間を取って頂き、自分たちもデザイン・販売に参加する事や、学生たちとのやりとりなど、いろいろお伺いしてきました。

東vs西、それぞれの学生に触れてみて

高橋 : 今日はありがとうございました。このプロジェクトで僕が学生さんたちと関わるのは、今年で4回目なんですよ。1回目はなかなか売り上げも厳しかったんですが、2回目は初回の倍以上になって、3回目はさらに売り上げを伸ばしました。

山井さん : 回を追うごとに伸びているわけですね。

高橋 : そうなんです。今日会った学生さんたちは2年生で、昨年、先輩たちがこのプロジェクトに参加しているところも見ていますから、さらにいい結果を期待しています。

京極さん : となると、僕らアンバサダーも責任重大ですね。

高橋 : でも、お二人に入ってもらって、今回は過去一番盛り上がっていると思いますよ。

山井さん : えー、よかったです!

高橋 : 初めての「東西対決」ということもありますしね。

京極さん : まあ、戦うとなれば否応なしに盛り上がりますよね。

高橋 : 東京・大阪で、最終的に順位が出ますから。そこまで、お二人にサポートをしていただきます。実際に学生さんと触れてみて、どう感じましたか?

京極さん : 今日のイベントの始めにあったランウェイの姿を見てしまうと怖いと思いましたね。かなり尖った格好をしていたので。でも、そのあとしゃべってみたら、やっぱり学生やなと。

山井さん : そうそう、話してみたら安心できました。ランウェイや記者会見の壇上から降りたら、本当に学生さんの顔になって。そういえば「祥子ちゃん」って呼ばれましたよ。「祥子ちゃん写真撮ろうよ」って(笑)。

高橋 : 東西のそれぞれの学生さんの温度感ってどうでした?僕は過去3回やってきて、なんとなく東京の学生さんはクールだなと感じています。良くも悪くも。

京極さん : しっかりしてますよね。落ち着いていて。

高橋 : そう。冷静ですよね。大阪の学生たちとは今日初めて会いましたが、SNSでのプロモーションとか、大阪のほうが勢いがありそうというか、楽しんでやりそうだなと思いました。

京極さん : ただ、大阪の学生さんはこれのためだけに東京に来ているわけですよね。単純に東京に浮足立って、テンションが上がっているだけかも(笑)。

山井さん : ちょっとした旅行ですからね、学生からしたら。どこか観光してから帰るでしょうし。

京極さん : 逆に大阪で開催されていたら、東京の学生さんもはしゃぎますよね。

高橋 : 確かにそうですね……。でも、今日の印象でいえば、東は「クール」、西は「前のめり」と感じました。

山井さん : 東のアンバサダーとしては、ちょっと聞き捨てならないですね。私も最初、東京はクールなのかな、と思っていたんですけど、ちょっと聞き耳を立てていると「今日はがんばろうね!」みたいな、キャピキャピした声が聞こえてきましたよ。大阪の学生がすごく前のめりというのはわかりますけど、東京も熱いですから。東京はそれに加えて、冷静な目線もありますから!

高橋 : 大変失礼いたしました(笑)

靴下は小さなギャラリー。HOTSOXが紡ぐアートとビジネス

高橋 : お二人にも靴下を作っていただきましたが、いかがでしたか?

京極さん : 難しいですね。僕、絵も描くんですけど、紙に描く場合はそのままができあがるじゃないですか。靴下のデザインって、描いているものが側面や背面にくるんですよ。

山井さん : そう、私もそれが分からなくて、難しかったです。

高橋 : なるほど。デザインは手描きですか?

京極さん : 僕は、iPadで描きました。デジタルですね。

山井さん : 私はオイルパステルで手描きです。

高橋 : 手描きを靴下にした仕上がりはどうでした?

山井さん : ちょっとぼかして描いた感じとかが、そのままプリントされていて、感動しました。ここまで実際の絵のニュアンスとズレがないのが、すごい技術だなって。

高橋 : ありがとうございます。その「GINGA」というプリント技術が僕たちRENFRO JAPANの一番の強みでして。従来では表現できなかった繊細な描写が可能になっています。アメリカの会社と特許申請をしていて、我々しかできないんですよ。表現力が高いので、アーティストさんとのコラボ靴下が特に売れています。

京極さん : 実は僕もアナログで描けばよかったなって、ちょっと思ってて。

山井さん : え、何で?

京極さん : 原本が残るじゃないですか。

高橋 : なるほど、そうですね。原本を売ることができますからね。

京極さん : はい。高く売れるなって。

山井さん : お金の話?やめてよ、なんか大阪っぽい発想……(笑)。

高橋 : でも、ある作家さんのイベントでは原画と靴下をともに販売していて、すごく売れますよ。原画は何百万もしますが、靴下もファンの方がたくさん買っていくんです。

山井さん : へえ、面白いですね。

高橋 : 本当に手描きは高く売れますから。山井さんも残しておいたほうがいいですよ。

山井さん : なるほど……。

京極さん : どうせあれでしょ、将来「エレガント人生展」とかやるわけでしょ?

山井さん : やらないよ。私は、お金のために動きません!

高橋 : いや、お金じゃないですよ。アートであり、表現の場なんです。

山井さん : ……分かりました。でも、原画はきれいに残してあるんです。だから、いつか出すかもしれませんね。

高橋 : ちなみに、このプロジェクトで使用している「HOTSOX」というブランドは、1970年代にスタートしたブランドで、設立したのはゲイリー・ウォルコヴィッツというアメリカ人です。もう引退していますが、60年代のアメリカのレコードジャケットのデザイナーだったんですよ。ただ、その仕事では全然食べていけなかった。だけど、ジェリー・ローレンっていう、ラルフ・ローレンの弟が幼馴染だったんです。

山井さん : おお、なんかすごい。

高橋 : ジェリーは、兄の仕事、つまりラルフ・ローレンの仕事を手伝っているわけで「ゲイリー、兄貴のブランドの靴下でも作るか?」と提案してくるんです。そこでできたのが「HOTSOX」という会社だったんですよ。だから、今でもラルフ・ローレンの靴下を作っているんです。

京極さん : へえ、そうなんだ。

高橋 : ゲイリーはアーティストですから、自分の絵を靴下にしたかったんですね。それが今の「HOTSOX」の在り方に繋がるんです。「靴下をキャンバスにする」というゲイリーの言葉がブランドのDNAになっていて、僕らも「HOTSOX」を日本に持ってきたときに、その言葉を大切にしました。アーティストの絵だけでなく、子どもたちを対象にしたイベントも毎年行っていて、そこで描いてもらったものをプリントし、子どもたちだけの靴下を作ったりもしています。今回のような学生とのプロジェクトもそうですが、靴下を入り口にして、さまざまな挑戦をしているわけです。

京極さん : 素晴らしい活動だと思います。

高橋 : だから山井さん、お金だけではないんです(笑)。

山井さん : もう、分かりましたから(笑)。

京極さん : お金はあとからついてきてるだけですもんね。

山井さん : でも、いいですよね。アート作品というと、ちょっと堅苦しいイメージもありますけど、靴下だったら気軽に取り入れられますし。多少派手でも使えますよね。

京極さん : そう。靴下は「いい意味で」何でもいい人が多いんですよね。だから、ギフトにも選びやすい。パンツからパーカまで、衣類を差し入れでいただくことがあるんですが、重宝するのはやっぱり靴下ですね。トップスとかで趣味と合わないものだと、なかなか外で着にくいとかありますけど、靴下は大丈夫なんですよね。

山井さん : それはそうかも。靴下をアクセントとして使う方法もあるけど、基本は目立つものではないからね。

「作る」と「売る」を同時に学べるチャンス

高橋 : 描くこと、表現することを楽しむ一方、その世界で生きていくために収益を上げることもやはり大切ですよね。ゲイリーだって、生活するために靴下を作り始めたわけですから。

京極さん : そうですね。今日出会った学生さんたちも、いずれは、何かを販売して生きていかなくちゃならない。

高橋 : そうなんですよ。「プロモーションバトル」というくらいですから、ただデザインするだけではないんです。

京極さん : やっぱりお金はお金で大事なんですよ。

山井さん : そうだね。たしかに、きれいごとばっかりは言っていられませんね。「働く」って、そういうことですもんね。

高橋 : 学生時代は、なかなかお金の稼ぎ方が分からないですからね。

京極さん : 僕は分からなかったです。今は器用にやってる人もいるでしょうけど。TikTokとか。

高橋 : そうですね。昔よりは、若いうちから収入が得られるチャンスは多いと思います。

京極さん : 僕らより稼いでいる学生さん、きっとたくさんいますよ。

山井さん : インフルエンサーとかで活動してたら、そうですよね。

高橋 : とはいえ、お二人には、学生たちに負けてほしくないですね。作っていただいた靴下の売れた足数も出るわけですから、お二人ならではの本気を見せていただけたら嬉しいです。それが学生たちの学びにもなると思いますから。そういう意味では、アンバサダーでありながら、ライバルでもあるわけですが、学生たちに伝えたいメッセージはありますか?

京極さん : 将来必要になる能力だと思うので、この機会に存分に勉強してもらいたいですね。失敗したって、いい勉強になると思います。RENFRO JAPANさんにリスクを背負ってもらって、自身はノーリスクで経営の勉強ができる大チャンスなわけで。だから、けっこう攻めていいと思いますよ。

高橋 : おっしゃるとおりですね。

山井さん : 学生さんにとって、社会に出る前から実践経験ができるのは、とても良いことだと思います。あと、拡散を促すのがマストになると思いますが「靴下を作りました」と発信することで、誰が見てくれるかわからない面白さがありますよね。今はインスタグラムなどに絵を投稿して、世界的に知られるようになる人も多くいます。学生さんのデザインが誰かの目に留まり、仕事につながっていく可能性だって十分にありますよね。もちろん数を売ることも大切ですが、それ以上に「ファンを増やす機会」として捉えて、たくさんの人との繋がりを広げていってほしいです。

高橋 : ありがとうございます。きっと学生さんたちにも伝わると思います。